
水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第39回 浦村奇跡の牡蠣編4
ここ浦村の牡蠣の味の話になって急に顔がほころんだ。右が山本支所長、真ん中が村田理事、左が筆者。

本当の牡蠣の味を知る
竹本
津波の被害は、水産業への大打撃になるというお話ですが。
村田理事
そうですね。津波は確かにここ2年チリの2回目の地震きとたでな、あの時も一応被害は出たでな。ちょうど東日本大震災の1年前の2010年のチリ地震。先の東日本大震災で打撃を受けた大船渡もこのチリ地震でも、水産業への被害が随分大きかったと聞いています。ほんですごい防波堤 ダムみたいな防波堤作った。ただ、防波堤を作ってしまったせいで、養殖業者は牡蠣の出来がものすごく悪なったと嘆いていました。
竹本
やっぱり防波堤とか作ってしまうと、潮の出し入れがなくなって、味が変わってしまうのですか?
山本支所長
それはもう全然違うよ。ちょっとした建造物が出来ただけで、潮の流れは全然変わってしまう。
竹本
それで牡蠣の味がぐんと落ちるんですね。
山本支所長
やっぱり栄養が来なくなるから、ものすごう味が違うてくるね。
村田理事
だいぶ違うでな。ここの牡蠣の特徴と言うと、さっき所長が言っていたように、「一年牡蠣」なんです。
で、これは東京築地の業者が言うてたけど、ここの牡蠣は非常にクセがないと。
で、これは東京築地の業者が言うてたけど、ここの牡蠣は非常にクセがないと。
竹本
東京築地の業者って言うと最高の目利きですよね。その人たちが、ここの牡蠣はクセがないと?
村田理事
そうなんです。牡蠣独特の癖がないんです。初めて牡蠣を食べる人って匂いや味に抵抗があったりしますよね。そういった人に牡蠣を食べさせるときは「浦村牡蠣」を扱ってる飲食店連れて行くって言われてましたね。
竹本
なるほど~食べてみたいな!!
山本支所長
バブルの時は凄かったんですよ。ここの牡蠣を買い求める人たちが多くって、築地へ10トン車が何車も行くんや。
村田理事
そして現在は、非常に「焼き牡蠣小屋」がヒットしてます。自分らが食べても美味しいと思うしね。
この前も自分の友だちを連れてきたんやけど、その友だちの息子は牡蠣嫌いなんやけど、ここの牡蠣やったら美味しく食えるね、って言ってました。
この前も自分の友だちを連れてきたんやけど、その友だちの息子は牡蠣嫌いなんやけど、ここの牡蠣やったら美味しく食えるね、って言ってました。
山本支所長
スーパーの物しか食べてない人が、ここに来て牡蠣食ったら、牡蠣好きになるわな。
村田理事
そうやね。スーパーで買って牡蠣フライ作ってもらったけど食べれんだわ(笑)ここの食べたら他のが食えんのさ。
竹本
じゃあ牡蠣嫌いを好きにさせる牡蠣なんですね。
村田理事
そうやね。まあそんな大層なもんやのうて、「牡蠣嫌いを好きじゃなく牡蠣嫌いじゃなくする」くらいかもしれんな。
山本支所長
ここに来たら「本当の牡蠣の味を知る」わけなんさ。
竹本
「本当の牡蠣の味を知る」ってええコピーやなあ。
山本支所長
星印やな。
竹本
つけます。つけます(笑)
漁業組合前に、牡蠣を荷台に山積みにしたトラックが到着した。

どの粒も本当にデカい。近寄ると磯の香りがぷーんとする。ここの牡蠣は「本当の牡蠣の味を知る」牡蠣、だという。最高に旨そうだ。


竹本大輔