水のはなし

天然水の人びと

アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行

第56回 妙高上越 食の魅力 武蔵野酒造さま編10

地域興しのコーディネートとプロデュース、行政の役割

小林社長
そういったコーディネーター組織は、行政に求めても難しい話なんですよね。
なので民間ベースで作ってかないと、と考えています。
竹本
行政頼みの地域っていうのは多いですよね。
牧野社長
多いですね。
小林社長
例えば、初期投資の部分で行政がその初期投資分を負担する、これはすごく良いと思います。
ただ初期投資が終わり、その後組織なり施設なりの運用をしていったり、その先のランニング部分については行政が絡んでいると、崩壊していく場合が多いんですよね。
だから、ぼくらの「発酵研究会」も独り立ちしなくちゃいけないんです。最終的にはね。
今は上越市の予算使わせてもらっていってますけど。
竹本
具体的に、どのように独り立ちされるプランをお持ちなんですか。
小林社長
基本的には会員制というのを考えています。
他にはたとえばさっきの商工会議所とかね、既存に企業のデータベースが揃ってるとこあるわけですよ、そこと連携していく。
竹本
なるほど。
小林社長
色んなやり方あって、あんまりこう組織をばんばん作るってのは、ぼくはあんまり好きじゃない。それを維持するのが大変になってしまう。
竹本
そうですね。
すこし前ですが、そういう組織運営について、すごいシンプルな話を聞いたんです。
三重県の伊勢湾にある鳥羽っていうところの話なんですが。
宮川の一番最下流にある町です。
小林社長
鳥羽ね。
竹本
鳥羽に「浦村の牡蠣」って有名な牡蠣の養殖場があるんですけど、あそこの漁業組合さんを取材させていただいたんです。

漁業組合の売上や費用ってどうなってるんですかって聞いたら「ここの海産物は全部組合員さんが勝手に商売している」という話なんですね。
で、牡蠣の養殖の筏を使用したら、その使用料だけ取る、という話でした。商品も漁業組合を通したりしないから、ものすごいちっちゃい漁業組合で済むというお話でした。

そして目からウロコだったのが、最近はメリットが出てきたという話でした。
何かっていうと「自分らでお客さん呼ばんと、自分とこの牡蠣が売れない」ってことがわかったから、どんどん漁師さんや養殖業者さんが自分でPRして、どんどんお客さんを引っ張ってくるというんです。

だからこれからの漁業って、漁業組合を通して海産物を売るっていう考えじゃなくて、小さい組合だけはあるんだけれども、漁業従事されてる各個人が、お客さんを呼んで来るという努力をしなければならない、という話でした。

ですから「実はおれら、一番進歩してるねんで」みたいな話をされたんですね。
だからみなさん活き活きされてて、面白い話でした。

(編集注:詳細はこちら http://www.aquaselect.jp/water_story/people/uramura-1.html)
有名な牡蠣の養殖場 
鳥羽「浦村の牡蠣」。
漁養殖業者自らが牡蠣のPRして、ファンを増やしている。
マップにも、そんな工夫が。
小林社長
そうやって、役割分担が明確なことが良いんでしょうね。
牧野社長
その「役割分担」でしょうね。
ストーリィはある。理解してもらえる。ただいかにこの地に来てもらうか、が大変なんです。
ただ、この地の特色は先程から出てきていますが「雪」。できるだけこの雪を楽しんでもらいたいですね。
今ね「雪下ろしをやってみたい」っていう若い人たちが多いんですよ。信じられないんですけど(笑)
竹本
たしかに、わざわざそんな体験がしたい、という要望は多いかもしれませんね。
先日遊びに行ったモリコロパーク(愛・地球博記念公園)で「雪遊び」のコーナーがあったんです。その入場料がなんと600円。入場してソリ遊びとかするだけで、ですよ(笑)
小林社長
それはこのへんじゃ考えられないですよね。
ただ、感覚・価値観が違うから、お金を取る仕組みが全然違う。
さっきのコーディネートの話をしましたけど、そういうコーディネートが上手くいくと、都会だとそれが商売になるんです。
竹本
なりますね。そうですね。
小林社長
「雪下ろし」なんてこちらでは重労働でだれもが嫌がる仕事ですよ。
ただそれが都会だとお金を払ってでも経験したい、となる。
プロデュースの仕方次第でどうなるかわかんない。
ただ、このプロデュースを行政がやると、駄目なんですよ。
竹本
そうですよね。

よくあるのが、地方都市の町おこしの業務委託なんかも、若者を呼び込んでいるわりには給料が安かったり。
そして3年とか経ったら、ハイおしまい、って話なんですよね。
こういうことがわりと色んな自治体である話だと聞きました。
小林社長
あるよね。いろんなところで起こってますよ。
竹本
ただ、都市部の若者のパワーを活用するというのは面白い発想だと思うんですが。
ちょっと先を見てその人たちの「出口」を考えて欲しいところではありますよね。
小林社長
そうですよね。

行政だけじゃなく、ぼくたちもそうなんだけど、目先目先でやってしまう。
本来、企業もそうなんですけど、5年後10年後自分たちがどうしたいのかっていう話をきちっと議論して、目標とか目的を明確にして、じゃあ今年はこれをやろうっていう考え方が必要なんだと思います。
いわゆる流行の言葉で言うとサステナブルかね、そういった持続性をきちんと持った政策をやってかないと。今は全てが目先。特に行政は予算で動くから目先なんですよね。
そうすると中途半端になって逆に無駄な税金をそこにつぎ込んでるていう感じになっちゃう。
行政マンに「おまえらこの町どうしたいんだって」いうといろいろと出てこないとダメだと思うんですよ。
だから、それを一歩先行く施策を行政が担う。やってもらわなくちゃいけない。
彼らはプロフェッショナルなんですよね、そういう点で。
竹本
なるほど。深いなぁ〜。
目先の利益ではなく、5年10年後を見据えて事業を進めていく姿勢。
サステナブル(地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発など)で、かつ若者のパワーをどうやって活用していくか論議に花が咲いた。






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