水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第54回 妙高上越 食の魅力 武蔵野酒造さま編8
価値の再発見とその事前情報
竹本
先ほどの「上杉謙信が発酵食品を携えて戦ったから強かった」という推測は面白いですね。その他の醗酵食品にまつわるお話ってあるんですか?
小林社長
歴史といえば我々の業界では、坂口謹一郎という博士がおられます。
この方はお酒だけじゃなくて、応用微生物学の大家なんです。
もうお亡くなりになってますけれど、そういった偉人たちがこの地域はいっぱいいるんですね。
この方はお酒だけじゃなくて、応用微生物学の大家なんです。
もうお亡くなりになってますけれど、そういった偉人たちがこの地域はいっぱいいるんですね。
牧野社長
マスカット・べーリーAってう品種を開発した川上善兵衛さんという方もおられます。
「日本でワインなんか出来ない」と言われ、特にこういう雪国で、ブドウなんか栽培できないっていうのを、見事覆した方です。
「日本でワインなんか出来ない」と言われ、特にこういう雪国で、ブドウなんか栽培できないっていうのを、見事覆した方です。
竹本
じゃあどう考えてもこの地域は「発酵文化の地」ですね。
小林社長
そうなんです。
今でも「雪室」といって雪の倉庫があります。今も昔の「雪室」を使っていたりするんですよ。
今でも「雪室」といって雪の倉庫があります。今も昔の「雪室」を使っていたりするんですよ。
竹本
先ほど言われてた歴史というのは、謙信だけじゃない、こういう歴史も入ってるって事ですね。
小林社長
そうですね。いわゆるマスコミ受けするとかではない、昔から文化として根付いてきたもの、それはやっぱりそこの人達に注目されるべきものです。
ただそれが埋もれている。
それをうまく時代に合わせて変化させていくって言うことが重要だと思うんです。
そのままだと受け入れられないけど、ちょっとそれを磨くと世間一般に広く受け入れられるって事は結構あるんですよね。
ただそれが埋もれている。
それをうまく時代に合わせて変化させていくって言うことが重要だと思うんです。
そのままだと受け入れられないけど、ちょっとそれを磨くと世間一般に広く受け入れられるって事は結構あるんですよね。
竹本
そうですね。確かに。
小林社長
例えば発酵食品の中でも、たぶん「塩麹」なんか最たるものですよね、2〜3年前からですけど。
塩麹なんか全国どこでもあったわけですよ。結局漬け物の元ですから。
塩麹なんか全国どこでもあったわけですよ。結局漬け物の元ですから。
竹本
そうか。
小林社長
塩麹の文化ってもともとあったものを、イメージ的には「漬け物婆ちゃん」から「健康志向」のイメージにしたっていうのが一つ。
さらにそのイメージで若い人、特にお母さん達に「漬け物」だけじゃなくて、肉料理に使えたり、パスタに使えたりレシピをきちっと、提示することで、あれだけブレイクしたんだと考えています。
昔からあったもの、文化としてあったものを、安心して使えるんですよというのは、特に食に関していうと多いんじゃないかな?
さらにそのイメージで若い人、特にお母さん達に「漬け物」だけじゃなくて、肉料理に使えたり、パスタに使えたりレシピをきちっと、提示することで、あれだけブレイクしたんだと考えています。
昔からあったもの、文化としてあったものを、安心して使えるんですよというのは、特に食に関していうと多いんじゃないかな?
竹本
そういうところはありますよね。
小林社長
例えばB級グルメもそう。
モツ煮も昔からそばやに行くと昔から食ってたんですよね。
モツ煮も昔からそばやに行くと昔から食ってたんですよね。
竹本
なるほど。
小林社長
ただ、今の人たちに合致した伝え方をしないといけない。そういうところは工夫がいるのかな。
竹本
そう考えるとこの地域は、もう宝庫ですよね。
小林社長・牧野社長
そうなんですよ。
竹本
ぼくは「かんずりラーメン」が実は学生の頃から大好きで、妙高の杉の原に行くと「かんずりラーメン」ばっかり食べていたんですよね。
小林社長
かんずりなんかは、この辺りの人たちはみんな自分の家で作ってたんですよ。
牧野社長
家庭で、どこでも作ってたんですよね。
そういう食文化。
そういう食文化。
竹本
へーそれはすごい!
牧野社長
家でどこでも作ってましたね。オリジナルのものを。
昔から、家庭でおじいちゃん、おばあちゃんが作ってたものですから。
そういう当たり前の物がね、今掘り出されたりとかしてるんだと思います。ただその素材の良さがないと世に受け入れられないですよね。
昔から、家庭でおじいちゃん、おばあちゃんが作ってたものですから。
そういう当たり前の物がね、今掘り出されたりとかしてるんだと思います。ただその素材の良さがないと世に受け入れられないですよね。
小林社長
食べるものは最終的に美味しくないと。
竹本
そうですよね。
小林社長
いくらぱっと飛びついても不味ければ二度と食べませんから。
その辺もひとつですね。どれだけ感動を与えるかっていうことだと思います。
お酒もそうですけど、食もそうだと思います。今はいかに事前に情報を消費者に与えるか。
その辺もひとつですね。どれだけ感動を与えるかっていうことだと思います。
お酒もそうですけど、食もそうだと思います。今はいかに事前に情報を消費者に与えるか。
竹本
なるほど。事前情報って大事ですよね。
小林社長
食べる前・飲む前の情報ってのはすっごい重要で、そこに色んな物語がついてくる。
所謂こだわりみたいな部分も含めてですけれど。伝えるかが重要になってくるんです。
それで勝負は決まってしまう。
例えば色々物語があって話して、お客さんに飲んでいただいたり、食べていただいたりすると絶対美味しいって言いますよ。
それも先入観だよね。
所謂こだわりみたいな部分も含めてですけれど。伝えるかが重要になってくるんです。
それで勝負は決まってしまう。
例えば色々物語があって話して、お客さんに飲んでいただいたり、食べていただいたりすると絶対美味しいって言いますよ。
それも先入観だよね。
竹本
なるほど。なるほど。
小林社長
それで、不味きゃだめだけど、その情報の後に、本当の美味しさを味わってもらえると感動になるわけですよね。
そうすると、本来そういう人に伝える事になるんですよね。
そうすると、本来そういう人に伝える事になるんですよね。