水の基礎知識

ミネラルウォーターとは
《 ミネラルウォーターの品質表示 》
品質表示とは、食品や飲料のパッケージなどに記されている品名や原材料名などのことで、普段お買い物に慣れた方には馴染みがあるかもしれません。
当然、アクアセレクトや他社のボトル詰めの水、ペットボトルの水など、市販の水にも記されています。
市販されている水は、一般的に、ミネラルウォーターと呼ばれることが多いですが、品質表示をよく見比べると、ミネラルウォーター以外の商品も多いことに気づかれるでしょう。
日本でミネラルウォーターという言葉が一般に認知されたのは、ウィスキーメーカーが水割り用の水をミネラルウォーターとして販売しだしてからだといわれています。いわゆる「水割り」が広まった時期(1970年頃)です。ここから、ミネラルウォーター≒市販の水という認識が定着し、現在までその名残があるのでしょう。
現在では、厳密に言うと、ミネラルウォーターは、市販の水の中の一品名を指すように定められており、アクアセレクトの水も、品名としては、ミネラルウォーターではなく、ナチュラルウォーターとなります。
このような表示は、平成2年3月(平成7年2月改正)に農林水産省から通達されたミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドラインによるもので、当サイトでも、アクアセレクトの特長ページなどで説明していますが、このガイドラインをよく知ることで、売られている水がどういったものなのかが良くわかるようになり、皆さんが、メーカーの過剰な宣伝などによるイメージ戦略に惑わされずに水を選ぶ助けにもなると思いますので、ここでは、もう少し詳しく説明したいと思います。
《 ミネラルウォーター類のガイドラインと分類 》
商品として売られている飲用の水(容器に詰めたもの)の総称としてミネラルウォーター類と呼び、これに適用されるとしています。(ただし、いわゆる炭酸水は除く) つまり、一般的に(厳密には水道法的に)「飲める水」を分類、表示するというもので、この「飲める水」の中にはもちろん、私たちに一番身近な「水道水」も含まれます。要するに、水道水をボトルやビンに詰めたものも、ミネラルウォーター類ということになり、実際に販売されてもいます。
では、ミネラルウォーター類は、どのように分類されているのでしょうか。
ミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドラインでは、以下の4つに分類、表示することを定めています。
ミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドライン-品名表示の要約
品名 | 水源 | 原水 | 処理方法 |
---|---|---|---|
ナチュラルウォーター | 特定の水源 | 地下水 | 沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わない |
ナチュラル ミネラルウォーター |
特定の水源 | 地下水のうち、地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもの。鉱水、鉱泉水など | ナチュラルウォーターに同じ |
ミネラルウォーター | 特定の水源 | ナチュラルミネラル ウォーター | 品質を安定させる目的等のためのミネラル調整、ばっ気。複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等 |
飲用水又は ボトルドウォーター |
不問 | 水道水など、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター以外のもの | 制限なし |
以上がミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドラインに記載されている、皆さんが商品を比較する際に役立つと思われる内容になりますが、実は、これに適合しない水も販売されています。
この、農林水産省のミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドラインは、日本における「飲用適の水」を大前提としているので、その水は必ず、殺菌(除菌)されていなければなりません。が、実はヨーロッパから輸入・販売されているミネラルウォーターには、無殺菌のものがあるのです。
ヨーロッパでは無殺菌のものほど高級であると考えられているようで、「殺菌=安全」と考える日本とはまるで正反対なのですが、これは、日本とヨーロッパの環境の違いから来る考え方の違いであって、衛生面や安全性とは関係ありません。ヨーロッパにおいては、「何も処理する必要の無い、真にきれいな天然水」が最上級であり、その品質基準は、たとえば、水源周囲の広い範囲にわたって環境保護を義務付け、源泉を汚染から完全に保護しなければならないなど、極めて厳格であり、この様な基準をクリアしたものが販売されているのです。