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なぜ宮川が日本一の清流なのか?

竹本 大輔:2015年09月02日

 

 

「宮川」が全国一級河川水質調査第一位をよく獲得している、というのは前にお話したとおり。

 

では理由はなんなのだろうか?

 

 

 

 

「雨量が多い」ということが第一だろう。

 

梅雨前線や秋雨前線の活性化、そして台風の襲来の際、全国ニュースでも必ず「三重県大台町では1時間の雨量が◯◯ミリメートルを超えました」と報道され、アクアセレクトのお客様にも「アクアセレクトさん、大丈夫なの?」とご心配をいただく。

 

 

先日の台風15号(2015年8月25日)では、1時間の雨量が99mm。

気象庁の基準で「猛烈な雨、息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる」とある。

 

半分の「50mm未満の雨」の表記が「バケツをひっくり返したような雨」とあるから、99mmの「恐怖を感ずる」雨というのが、どれくらいの雨量かちょっと想像もつかない。

 

 

では、なぜこの地域に雨が多いのか?

以下の2つが上げられると思う。

 

①一年中「黒潮」の湿った空気が流れ込む。

②秋の渇水期において、台風の上陸や、台風の東側特有の南からの湿った風が吹き、大荒れの天候となる。

 

 

今回は②が大きな原因だろう。

 

秋雨前線が停滞する年などはよいが、穏やかな天気の続く秋は、渇水する河川が多い。登山の一つの「沢登り」なども、渇水の時季に新たなルートが開拓されることが多い。

 

 

余談だが、「湫(くて)」という地名がついている地域がある。現代であれば「久手」。

これは「水草などの生えている低湿地帯」を指す。

愛知県でいうと長久手市(長湫という地区もある)など、水に恵まれた地域だ。

 

氵に秋。

 

秋は水が少ない、だから秋に水が多いところは水に恵まれた地域、ということで名が付いたのだろう。

 

 

 

さて、秋でも枯れることのないこの多雨、水量の恩恵を受けているのが、昔は杉やヒノキなどの林業、そして現代においては私たちの天然水産業と言える。

 

 

上流域だけではなく、下流域に目を向けても、この多雨の恩恵に与っているものも少なくない。

 

伊勢湾の海産物にとって欠かせない植物性プランクトンを運ぶ役目を担う。

伊勢湾の「浦村の牡蠣」が、広島産や宮城産に比べ1年モノで出荷され、そのサイズも大きく、そして牡蠣独特の臭みがないのは、この宮川の多雨のおかげだと、言われている。

 

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人的被害や家屋倒壊などの被害は御免被りたいが、やはり人の営みにとってもこの地域の産業にとって欠かせない、雨。

 

 

 

 

自然との上手い付き合い方をこれからも考え続けたい、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

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