
水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第27回 良い水を育む森そして林業編5
スギ・ヒノキ林のそばの植栽斜面もあれば…

もうすでに下草がはびこっている斜面もあった。樹種も多種多様であれば、作業斜面も多種多様。大台町一帯全てに適するという林業が存在しないことを、この数パッチディフェンス内において、実感。

多種の苗に囲まれて。

良い水を育む森そして林業編5
竹本
林業って簡単ではない部分があって、なにかこう面白いですね。
岡本
これまでの林業というのは、山の持ち主さんが木を植えて育ててきたんですね。
ただ昨年の森林法の改正で林業も大規模林業化が進んでいます。
山を作ってきた人間と、管理をしていく人間に分かれていくというか、この関係性が変わってきます。
ここでモノづくりにこだわる日本人特有の良さが生きてくると良いなと思っています。
その中には長期的なビジョン、水源地の森はどういう風にして行ったらよいかというデザインがあって、場当たり的なスポットでの作業は見直さなければなりません。
大規模集約化というのは長期ビジョンに則った形でやっていかなければなりません。
ただ昨年の森林法の改正で林業も大規模林業化が進んでいます。
山を作ってきた人間と、管理をしていく人間に分かれていくというか、この関係性が変わってきます。
ここでモノづくりにこだわる日本人特有の良さが生きてくると良いなと思っています。
その中には長期的なビジョン、水源地の森はどういう風にして行ったらよいかというデザインがあって、場当たり的なスポットでの作業は見直さなければなりません。
大規模集約化というのは長期ビジョンに則った形でやっていかなければなりません。
竹本
水源地の、そして水源涵養林(すいげんかんようりん)の目指すべき長期的なデザインとはどういいたものでしょうか?
岡本
よく、常緑樹は水を吸い続ける、落葉樹は冬あまり水を吸わないので水量が安定する、など言われます。
ただ一番大事なのは、先ほども申し上げたように「山腹崩壊(さんぷくほうかい)」を避ける、ということです。
山を崩れるメカニズムを分析しながら、森づくりと連動させていくということです。
ただ一番大事なのは、先ほども申し上げたように「山腹崩壊(さんぷくほうかい)」を避ける、ということです。
山を崩れるメカニズムを分析しながら、森づくりと連動させていくということです。
竹本
やはり防災という観点ですね。
岡本
そうです。
表層崩壊と深層崩壊というのがあります。
表層崩壊については、ある程度植生によって防止できることが分かってきています。ただ深層崩壊は植生に左右されない。
表層崩壊と深層崩壊というのがあります。
表層崩壊については、ある程度植生によって防止できることが分かってきています。ただ深層崩壊は植生に左右されない。
竹本
植生のどういった点が防止に役立つのでしょうか?
岡本
「根茎の多様性」が大事なんです。
浅根性(せんこんせい)、これはヒノキみたいに表面にダーッと根が張っていくものですな。あと深根性(しんこんせい)、これはケヤキのようなものです。あとは、岩盤の割れ目に根を差し込んでいく、板根性(ばんこんせい)のものと、これらの組み合わせそして多様性が重要です。
浅根性(せんこんせい)、これはヒノキみたいに表面にダーッと根が張っていくものですな。あと深根性(しんこんせい)、これはケヤキのようなものです。あとは、岩盤の割れ目に根を差し込んでいく、板根性(ばんこんせい)のものと、これらの組み合わせそして多様性が重要です。
竹本
板根性の樹種にはどういったものがありますか?
岡本
ミズナラ、コナラ、なんかが岩の隙間に根を張っていきますな。
あとウラジロガシなんかは岩をだんだん抱き込んでいく。
あとウラジロガシなんかは岩をだんだん抱き込んでいく。
竹本
はー、なるほど。
岡本
昔のお城の石垣なんかにはそういった技術が多用されていました。
昔の職人は石垣をグイグイ押してしまうような根を持つ木を決して植えなかった。
岩盤を守っていくようなそんな木をたくさん植え、石垣を守ったのです。
昔の職人は石垣をグイグイ押してしまうような根を持つ木を決して植えなかった。
岩盤を守っていくようなそんな木をたくさん植え、石垣を守ったのです。
竹本
なるほど!昔は植物の特性を生かそうとする考え、そして技術があったわけですね!
岡本
こういった技術を水源涵養林や伐採跡地の保全なんかにつなげていくと言うことが重要だと思うんです。
竹本
単一樹種の植林、そしてその根茎が単一のものばかりだと水源が守れないんですね。
真剣な眼差し。

林業とは何か?を少しだけ学んだ。

自ら考え、そして100年先までをイメージしデザインする。

多種多様性こそが、森作りの基礎であること。仕事にも通じるこの森作りの考え。少しだけ「森」というものについて身近に感じた。


竹本大輔