
水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第8回 宮川物産様 お味噌作りのきっかけと天然水
宮川本流沿いに建つ、株式会社宮川物産。「旧宮川村の名品や地元に受け継がれている味を残してこう」と設立された、地元密着の生産加工所。鮎の甘露煮やきゃらぶき、そして椎茸海苔など、隠れた名品がいっぱい。地産地消の旗振り役の貴重な存在だ。

まずは、「道の駅奥伊勢おおだい」で駅長の小野一郎さんにお話を伺う。明るい話しぶりに気さくなお人柄がにじむ。なんでも聞いてよ、と明るい対談になった。

株式会社宮川物産の田村和也さん(右)と中山久美子さん。お味噌をはじめ、ここの商品すべてに愛情がたっぷり注がれていることを実感。宮川の天然水と農作物、そしてこの地の人の三位一体となった取り組みが名品を産み出すのだろう。

お味噌作りのきっかけと天然水
アクアセレクトの採水地である三重県大台町には、美味しい味噌がある。「お達者味噌2代目(おたっしゃみそ2だいめ)」という名品だ。味はまろやかでコクがあり、出しゃばらずどんな料理にも合う。かくいう著者(竹本)もこの味噌の大ファン。そんな味噌の秘密、そして天然水との関係を探ろうと、製造元である「株式会社宮川物産」、販売店の一つの「道の駅奥伊勢おおだい」にお話を伺った。
竹本大輔
宮川物産さんでお味噌「お達者味噌2代目」を作り始められた、そもそものきっかけを教えてください。
道の駅奥伊勢おおだい駅長の小野一郎さん(以下敬称略)
きっかけは2007年に遡ります。
旧宮川村の領内(りょうない)地区の、添(そえ)さんご夫妻が、自分の家で作ってらっしゃったお味噌の作り方と道具なんかを全部引き継いで作り始めたのがきっかけです。地元の特産品というか、美味しいもんを無くしたらアカン、ということで始まった事業なんです。
旧宮川村の領内(りょうない)地区の、添(そえ)さんご夫妻が、自分の家で作ってらっしゃったお味噌の作り方と道具なんかを全部引き継いで作り始めたのがきっかけです。地元の特産品というか、美味しいもんを無くしたらアカン、ということで始まった事業なんです。
竹本
そうなんですか!だから2代目というネーミングなんですね!
竹本
冬に仕込む、特に寒の時期に仕込むというのはなにか理由があるんですか?
小野
大豆を秋に収穫した後に、冬に乾燥させるでしょ。だから、その収穫の都合で、1月末に仕込む、ということです(笑)ただそれだけではありません。お味噌作りは、麹(こうじ)を醗酵させて菌を上手く使いこなさないとダメなんで、この寒の時期に仕込むというのが、最も大きな理由やと思います。
竹本
なるほど。
竹本
お味噌とお水との関係はどうでしょうか?
株式会社宮川物産の中山久美子さん(以下敬称略)
大豆もお米も水でふやかしますんで、お水はとても関ありますね。
竹本
実は、ぼくも家族もここのお味噌の大ファンなんですが、何の料理にでも合うのと、癖が無いなぁと思うんですが美味しさの秘訣ってなんでしょうか?
中山:
愛情ですかね?(笑)もちろんお水の良さもありますよ。
竹本
ありがとうございます(笑)!
中山
地元のお年寄りの方から伝承してまだまだ修行中の身なんです(笑)
今の時期に仕込んで9か月寝かすんで、10月くらいに出荷するんですね。昔ながらの製法で、長く熟成させるのが良いんでしょうね。
今の時期に仕込んで9か月寝かすんで、10月くらいに出荷するんですね。昔ながらの製法で、長く熟成させるのが良いんでしょうね。
中山
さらに美味しさの秘訣を言うなら、原材料が違うんだと思います。お米も大豆もこの地域(多気町と大台町)のものです。その原材料の良さは、やっぱりお水の良さが要因でしょうね。
「茗荷(みょうが)味噌」を作ってるんですけど、一度だけ他の地区の茗荷(みょうが)を仕入れて作ったことがあるんです。そうすると香りと味が全然違うんですよ。よその土地の茗荷(みょうが)は見た目はものすごい立派なんですけど、味とか香りが全然違うんです。
「茗荷(みょうが)味噌」を作ってるんですけど、一度だけ他の地区の茗荷(みょうが)を仕入れて作ったことがあるんです。そうすると香りと味が全然違うんですよ。よその土地の茗荷(みょうが)は見た目はものすごい立派なんですけど、味とか香りが全然違うんです。
小野
そやなぁ、香りが全然違うなぁ。
株式会社宮川物産の田村和也さん(以下敬称略)
私は、美味しさの秘訣は、大量生産できていないので職人的な感性の影響があると思うんですね。
作り方が丁寧なんだと思います。試食してみると、辛みが残らない。マイルドなんですね。一消費者としてそう感じますね。
作り方が丁寧なんだと思います。試食してみると、辛みが残らない。マイルドなんですね。一消費者としてそう感じますね。
竹本
お水の良さと、ここ大台町で取れる食材の良さ、そして愛情なんですね(笑)。

竹本大輔