
水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第29回 幻の酒米「伊勢錦」稲刈り1
元坂酒造さん再び 幻の酒米「伊勢錦」稲刈りへ
この「天然水の人びと」第一回で取材させていただいた三重県大台町柳原「元坂酒造」さん。
寒仕込みの一年を通じて最も忙しい時期にも関わらず、社長である元坂さんはにこやかにそして丁寧にこちらの取材に応じていただいた。
そこで聞いた、幻の酒米「伊勢錦」の栽培とその米でお酒を造っているという事実。
その穂の長さたるや「おばあちゃんが担ぐと穂先が地面に着く」くらいだという。
「また伊勢錦の収穫の頃にお伺いしても良いですか?」と聞くと「エエですよ」と快いお返事をいただき、今日の訪問となった。
想像するに、寒仕込みの時期の次にお忙しいであろう、伊勢錦の収穫の時期に三重県大台町柳原地区を訪れた。
寒仕込みの一年を通じて最も忙しい時期にも関わらず、社長である元坂さんはにこやかにそして丁寧にこちらの取材に応じていただいた。
そこで聞いた、幻の酒米「伊勢錦」の栽培とその米でお酒を造っているという事実。
その穂の長さたるや「おばあちゃんが担ぐと穂先が地面に着く」くらいだという。
「また伊勢錦の収穫の頃にお伺いしても良いですか?」と聞くと「エエですよ」と快いお返事をいただき、今日の訪問となった。
想像するに、寒仕込みの時期の次にお忙しいであろう、伊勢錦の収穫の時期に三重県大台町柳原地区を訪れた。
実るほど頭を垂れる稲穂かな。酒米「伊勢錦(いせにしき)」の見事な実り。

幻の酒米「伊勢錦」。山田錦の母親でもある「山田穂」そのルーツこそこの伊勢錦ではないかと言われている。「その昔江戸時代末期から明治初年にかけて、田中新三郎がお伊勢参りの帰りに宇治山田で見つけた穂を持ち帰り兵庫県美嚢郡吉川町(現・三木市)で栽培したことに始まる」

またお忙しいときにお邪魔…
竹本
ご無沙汰しております。今日は稲刈りお手伝いするつもりでやって来ました。何なりと言って下さい!
元坂さん
ご無沙汰しています。あれ、稲刈りもされるんですか?
竹本
そうなんです。天日干しのハザ掛けまでやってるんですよ。4年前から旧宮川村の田んぼをお借りして農家さんに教わりながら、というか叱られながらやっています。なかなか面白いものですね。
元坂さん
ハザ掛けまでしてるんですね!
竹本
あれは人手が必要ですよね。
刈り取るだけじゃなくって、稲を束にして紐でくくって、ハザに掛けて…。
初めてやった時なんかは、下がぬかるんでいたのと、ハザの縛り方が甘かったのとで、ハザ自体が2度も倒れてしまって。大変でした(笑)
刈り取るだけじゃなくって、稲を束にして紐でくくって、ハザに掛けて…。
初めてやった時なんかは、下がぬかるんでいたのと、ハザの縛り方が甘かったのとで、ハザ自体が2度も倒れてしまって。大変でした(笑)
元坂さん
いいですね。ハザ干しは夢ですね。
竹本
来年もしこちらでハザ掛けやるようなら、うちのスタッフ連れてきますよ。4年間でだいぶ鍛えられましたので(笑)
その後の籾摺り(もみすり)も古い機械を譲り受けて、倉庫にありますので(笑)
その後の籾摺り(もみすり)も古い機械を譲り受けて、倉庫にありますので(笑)
元坂さん
うちでもやりたくって、あれを買おうかと思ったこともあったんですよ。
竹本
いやーそれやったら買う前にウチのをいつでも使ってください(笑)
前回は寒仕込み、今回は稲の刈りいれ、といずれもお忙しいときにお邪魔してしまった「元坂酒造」さん。社長の元坂さんにはにこやかにそして丁寧に応対していただいた。

心白についての説明、そして米作りの話を聞く。酒造りだけでなく米作りにも造詣が深い。

竹本
今年は出来が良いですね。豊作なんでしょうか?
元坂さん
「うこん錦」という品種を作ってたんですけれど、今年は夏が暑かったせいもあって、ちょっと出来が悪かったですね。
高温障害で乳白色に濁ってくるんですね。
この伊勢錦もどうなってるか分からないんです。籾(もみ)を摺(す)ってみないと分からないんですね。
熱風が吹くとそういうことになるみたいなんですわ。
高温障害で乳白色に濁ってくるんですね。
この伊勢錦もどうなってるか分からないんです。籾(もみ)を摺(す)ってみないと分からないんですね。
熱風が吹くとそういうことになるみたいなんですわ。
元坂さん
心白(しんぱく)と言って酒米の中心部が特に重要なんです。
米の周囲を削ってお酒にしますよね。この白くなっているところは空気の層とかがあって白く濁るんですね。つまり心白は密度が低いんですね。なんでここまで削ってやってお酒にするんです。
米の周囲を削ってお酒にしますよね。この白くなっているところは空気の層とかがあって白く濁るんですね。つまり心白は密度が低いんですね。なんでここまで削ってやってお酒にするんです。
竹本
白くなっているところが密度が低いというのは、氷と一緒なんですね。
元坂さん
そうです。
それと密度が低いということは、麹菌を植え付けると、麹菌が入っていきやすいんですね。
それに、外の玄米の栄養分を脂肪やたんぱく質などのうまみ成分が多いんで、そこを削ってデンプン質を出してやるんですね。
それと密度が低いということは、麹菌を植え付けると、麹菌が入っていきやすいんですね。
それに、外の玄米の栄養分を脂肪やたんぱく質などのうまみ成分が多いんで、そこを削ってデンプン質を出してやるんですね。
竹本
あの取材以降、結構日本酒を結構飲むようになりまして(笑)
元坂さん
そうなんですか。じつは今度、名古屋の栄で日本酒の会をやることになりまして。
竹本
参加してみたいです!
いろいろ精力的に活動されていますよね~。
いろいろ精力的に活動されていますよね~。
元坂さん
そんなことないんですよ。
ただ息子は酒屋業界に入ってまだ4年目ですから、今日も講習会に参加しています。
ただ息子は酒屋業界に入ってまだ4年目ですから、今日も講習会に参加しています。

竹本大輔