
水のはなし
天然水の人びと
アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行
第7回 元坂酒造さま これからの取り組みと この一品
これからの取り組みと この一品
竹本
今後に向けて、どんな取り組みをなされていますか?
元坂
販路としては三重県内が85%、県外が15%。その数字からも分かるように三重県の「地酒」を目指しています。息子も修行3年目。酒造りは4人でやっています。
酒造りは忙しいのも冬、売れるのも冬。それでコメを作るようになったんですが、別の取り組みとして、今年からリキュールもやりだしました。熊野の柑橘類の果汁と日本酒をブレンドして作っています。「オレンジベア」という商品です。
酒造りは忙しいのも冬、売れるのも冬。それでコメを作るようになったんですが、別の取り組みとして、今年からリキュールもやりだしました。熊野の柑橘類の果汁と日本酒をブレンドして作っています。「オレンジベア」という商品です。
竹本
どういう意味のネーミングですか?
元坂
「熊」野の「ベア」です。ダジャレです(笑)。
今、みかんが売れない、果汁も高い、でダメなんですね。それで一緒にやろうってことになったんです。
そういう地域活性化の動きも大事やなと思っています。
今、みかんが売れない、果汁も高い、でダメなんですね。それで一緒にやろうってことになったんです。
そういう地域活性化の動きも大事やなと思っています。
竹本
三重県って旨いもんが多いですね。
元坂
三重県って恵まれすぎてるんですよ。だからのんびりしてるんですよ。冬でも美味しい魚捕れるし、なんでも美味しい。台風のとき休んでたらいいだけですもんね。
竹本
熊野の方では、台風のことを「川戻り(かわもどり)」と言って大事に考えているんです。台風が来ると川底が洗われて、ずっときれいな川を保ち続けられる、と言うんですね。台風の影響で、死者が出る、けが人が出る、家屋が倒壊するというのはいけませんが、台風の進路に当たるから、宮川もずっと国土交通省1級河川水質調査で第1位なんだと思います。
元坂
そうなんですね。
素晴らしい酒蔵で、これまた素晴らしい方から、素晴らしいお話をお聞かせいただけた。

事務所で、酒蔵で、中庭で。立ち止まっては、日本酒談義。

最後に
竹本
最後に、元坂社長の個人的な好みで結構なんですが、「一番日本酒と合う料理」ってなんでしょうか?
元坂
個人的には、決まってるんです。なにはともあれ「冷や奴(ひややっこ)」ですね。
カラスミとか塩辛とかももちろん旨いんですけど、毎日食えませんからね。毎日となると、「冷や奴」ですね。これに勝る一品はないと、個人的に思っています(笑)。
カラスミとか塩辛とかももちろん旨いんですけど、毎日食えませんからね。毎日となると、「冷や奴」ですね。これに勝る一品はないと、個人的に思っています(笑)。
竹本
なるほど!普段着のお酒ですね(笑)。
本日は、いろいろとありがとうございました。
本日は、いろいろとありがとうございました。
元坂社長と。

編集後記
元坂社長の日本酒醸造にかける情熱に非常に感銘を受けた。「料理に寄り添うお酒」や「毎日の晩酌」という言葉から感じる、「普段から楽しむお酒」を造りたいという熱意。「旨いものを作る」という感覚的な部分だけでなく、非常に論理的な微生物や食文化に対する造詣の深さ。
酒造りを通じて感じておられる宮川水系のお話しも含め、お手すきになる4月ごろ、そして幻の酒米「伊勢錦(いせにしき)」が実る9月ごろににお会いして、再び日本酒談義をお願いしたい、と再会を誓った。
「酒屋 八兵衛 無濾過生原酒」は、お話にあった山廃(やまはい)仕込みではないものの、とてもジューシィで香り豊か、後味はふうわり来て、その後すぐにスッと引く感じの、それはそれはとても美味しいお酒だった。
今回、突然の電話での取材申し込みであったにもかかわらず、また寒仕込みという1年で一番お忙しい中、非常に快く取材に応じていただいた。末筆ではありますが、感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。
酒造りを通じて感じておられる宮川水系のお話しも含め、お手すきになる4月ごろ、そして幻の酒米「伊勢錦(いせにしき)」が実る9月ごろににお会いして、再び日本酒談義をお願いしたい、と再会を誓った。
「酒屋 八兵衛 無濾過生原酒」は、お話にあった山廃(やまはい)仕込みではないものの、とてもジューシィで香り豊か、後味はふうわり来て、その後すぐにスッと引く感じの、それはそれはとても美味しいお酒だった。
今回、突然の電話での取材申し込みであったにもかかわらず、また寒仕込みという1年で一番お忙しい中、非常に快く取材に応じていただいた。末筆ではありますが、感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。

竹本大輔