水のはなし

天然水の人びと

アクアセレクトGMの竹本大輔による水紀行

第11回 浦谷地区の高山さん お餅やお漬物のこと

美味しいものは高山さんに

今回は、三重県多気郡大台町の浦谷(うらたに)地区であられを作っておられる、高山さんご夫妻にお話をお伺いした。
大台町のなかでも特に自然が色濃く残るこの地は、「アクアセレクト田んぼのオーナー制度」をスタートさせた地でもある。宮川本流域の集落から車で浦谷川沿いに入ること30分。この浦谷地区は、宮川地区の中でも特にホタルの飛翔個体数が多いと言われ、「ホタルの里」の別名もある。
今回お話を伺った、高山利通さん(82歳)は、大台町の子どもたちに書道を教えている先生。奥様の高山ちかさん(80歳)は、この浦谷地区だけでなく、大台町旧宮川村地区でも有名なお漬物の名人。お二方ともとても80歳以上とは思えないお若さ、そしていつも明るく、仲が良く、お元気なご夫婦だ。
いろいろな方から、高山さんご夫妻があられ作りをしていることや、「美味しいものは高山さんに聞きな」との評判を聞きつけ、私たちは浦谷川の集落に向かった。
浦谷地区上流の「ちょうしノ滝」。透きとおった滝壺に近寄ると、ものすごいスピードで魚影が走った。
区長の佐今(さこん)さんの奥さまと。アクアセレクト田んぼのオーナー制度の際は随分とお世話になった方だ。「高山さんとこに行くには時間が早かったんでお元気かなぁと思って…」「なんや、あんたも元気にしとったんかいな(笑)」こういった会話が嬉しい。
宮川本流に注ぐ、浦谷川(うらたにがわ)。冬場その水量は減るが、その流れは清冽(せいれつ)で淀みをしらない。

お餅やお漬物のこと

竹本大輔:
今回は急な取材の申し込みにもかかわらずありがとうございます。
高山ちかさん
(以下ちかさん)
なにがお教えできますやろうかいな(笑)昔は「へげえ餅」とか言うて、ついたりしましたんさ。
竹本
へげえ餅って道の駅で売られている「薄いお餅」のことですね。
ちかさん
へげえ餅、へいである(伸ばしてある)もんで、そういう風に言うんでしょうな。あれは焼いて食べたり、油であげたりしますん。
高山利通さん
お餅作りには、この時期のお水は冷とうてエエって言いますわ。
竹本
お漬物とかはどうですか?
ちかさん
お漬けもんはダイコンが採れた時期にやりますけどな。ダイコンを漬けると、2月くらいが食べごろ。
竹本
以前高山さんにいただいたお漬物ですけど、酸っぱくって美味しかったです。
ちかさん
糠(ぬか)が醗酵したら、酸っぱなって、美味しいわな。4月5月までは酸っぱくないし、その後で食べると、酸っぱなったものも美味しい言う人もいて、人気もあるわな。
ちかさん
あと、テレビで見たんやけど、今年は酒粕(さけかす)で漬けたんさ。酒粕はさ、そこに漬けると美味しいんわさ。
竹本
いろいろと新しい挑戦をされてるんですね。
ちかさん
そんな風に本やテレビでやってたら、やりとうなんねんわ。それぐらいの事しか、ようせーへんしな。
利通
そんなことばっかりやっとるわ(笑)
今回快く取材に応じていただいた、高山ちかさん(80歳)。お漬物の名人だ。
笑い声の絶えない取材になった。昔ながらの製法を守り、美味しい地(じ)のモノを食べ、よく笑うというのが長寿の秘訣なのだと思う。大台町旧宮川村地区には、びっくりするぐらい元気なおじいちゃんおばあちゃんが多い。
竹本
お餅とか、あられはやっぱり寒の時期なんですか?
ちかさん
あとお味噌もこの時期やわさ。
竹本
お味噌はちゃんと「お達者味噌2代目」を取材してきました(笑)
利通さん
あれは美味しいなぁ。
ちかさん
「柚子ごしょう」をウチの集落で作ってますやろ。
※著者注:「柚子ごしょう」は宮川物産で製品化される、これまた名品。市販品とは全く別物と言ってもよく、柚子の香りがプンプンする。手作りで、生産量が少なく、道の駅で並べてもその日のうちに完売する希少品だ。
あれは、柚子(ゆず)が青いうちに収穫せなあきませんからな。でも黄色になったやつは「柚子味噌(ゆずみそ)」言うて、皮を擂(す)って、味噌とかみりんと合わせて作るんさ。自分らで食べるぶんだけな。
竹本
うわぁ、それも旨そうですね。
竹本
ちなみに「あられ」はどういうときに食べるのが多いんですか?
利通さん
おやつに食べるのが多いな。あと「餅まき」に撒(ま)くのも「あられ」やわな。
※著者注:「餅まき」今ではお祭りなど人が集まる際の最後のイベントとして撒かれることが多い。小さなビニル袋にお菓子などが入っていることが多い。
竹本
お祝い事に撒くことが多いんですね。
利通さん
お祝い事もそうやけど、厄年(やくどし)の人らも厄払(やくばらい)いの為に撒くんさな。
竹本
へー、厄落としなんですね!
利通さん
あれは、みんなに厄を持って帰ってもらおうという意味もあるんやな(笑)
竹本大輔

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