ホタルの季節です。
アクアセレクトの採水地であるここ宮川、大台町はホタルの名産地。
集落ごとにホタルが良く見えるスポットが数多くあって毎年盛況です。
しかし、平成16年の大水害で「谷が抜ける」ほど地形が変わりゲンジボタルの幼虫の餌であるカワニナが育つ環境も破壊され、数が激減しました。そんな宮川にも徐々にではありますがホタルの光が戻ってきています。
天には星が瞬き、地にはホタルの乱舞。素晴らしい光の競演でした。
それにも増して、この地の人たちのホタル好きに好感を持ちました。
「あそこは伏流水で温かいから、もう遅いんや。」とか「こっちは湧水で水が冷たいからこれからや」とか、「昨年の台風の影響でカワニナ流されとらんか な?」。またとある地区ではホタルが見やすいように見にくいちょっと下の場所で捕獲し上流部に放したそうですが、「結局元通りに戻ってしまって見にくいま まや」と、こんな会話があちらこちらで交わされているのです。
ホタルは水質や水温、地形などでその生育が大きく変化します。それを愛おしむように話す村の人たち。ホタルも良いけど、こういった話を夕涼みがてら聞くのがまた良いのです。
この地に残さなければならない自然環境と、そしてこれは文化だなぁ、と感じた今年のホタル観賞でした。
いつまでも残したい日本の風景です。