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秋は山登り その2
「秋は山登り」で八ヶ岳赤岳登山の様子を書いた直後、twitterでうれしいコメントをいただきました。調子に乗って第2弾です。
どうして山に登るのか?学生時代時代の話を少し…学生時代、大阪市天王寺区にある「大阪南YMCA」というところでキャンプリーダーなるものをやって おりました。毎月子どもたちを近隣の野外などに連れて行っていろいろなアクティビティを企画実践するといった活動です。その活動の合間を縫って熱中してい たのが、「バックパッキング」と言われる、ザックを担いでそこらへんで野宿を繰り返すという、まぁ放浪の旅そのもの。子どもや他のリーダーがいない世界で 一人になって精神性を磨きたい、なんて書こうかと思いましたが、たぶん一人になりたい気分だったんだと思います。とにかく「一人で冒険的な旅をしてみた い!」と考えてそんなことをしていました。そこで狙いを付けたエリアが、まだ世界遺産登録前の屋久島でした。
当時の屋久島の謳い文句は、「人2万、猿2万、鹿2万」や「1ヶ月に40日間雨が降る」などのコピーが並び、否が応でも「冒険」の匂いがプンプン。ちょっ と行ったことのある人の話を聞いてみれば、「カブトムシが一晩でダンボールに2箱捕れる」とか「屋久島の登山道はすぐに沢のようになってしまって道に迷 う。それで未だに発見されてへん遭難者がいっぱいおるんや」などなど…こんな話を聞かされて「おー!そうなんかぁ、なんか分からんけど、屋久島が俺を 呼んでる!」みたいになってしまう訳です。いやぁ若いってあほですね。
それからというもの毎年1ヶ月以上屋久島に籠り、いろんな避難小屋や海岸、見知らぬ人の家、集落の公民館などを泊まり歩き、屋久島にある山はひと通り登り ました。その屋久島の山々、森の素晴らしさと言ったら…まだ世界遺産登録前ということもあって人も少なく、苔むした森がやたらと深かった印象が残って います。また雨が屋久島特有の照葉樹林を濡らす様と言ったら…ぼーっとヒメシャラの木肌を流れ落ちる雨を見て1日を過ごしたこともありました。森林限 界を超えてみれば、笹と石楠花の競演、花崗岩地質の上を流れる雨はどこまでも濁らずにキレイで…山の雰囲気、出会う人びと…自分の山好きは屋久島 を放浪したことによって形成されたのだなぁ、と思っています。
じつはこのアクアセレクト、三重県と奈良県の県境にある大台ケ原山を源流とするのですが、屋久島と実は地質学的にも雨量的にも良く似通っているのです。ユ ネスコが指定する「生物圏保全地域」には日本では、屋久島、志賀高原、白山、そして大台ケ原(大峰山も)の4地域が指定されています。大台ケ原山、特に大 杉谷ルートは絶品(現在不通です)。大峰山域も何度通ったことか。屋久島と同じくらい魅力な良い山域です。なに?話を無理やりアクアセレクトにくっつけ た?いやいや、そんなことありません。これも何かの運命、ご縁と思っています。
「水が流れている」というぼくの好きな詩集があります。詩は屋久島の(故)山尾三省さん、写真は山下大明さんです。そういえば放浪中にこの山下大明さんの家にも何泊か泊まらせてもらったっけ。「水が流れている、そこに良き山あり、良き出会いあり」ですね。
ぼくたちは、水源地に植林をしたり、里山の田んぼを守ったり、河川のゴミ拾いをしたり、シカ肉をジビエが得意なレストランに配達したり、広葉樹の苗木を購 入したり…といろんな取り組みをしています。この良き山、良き出会いを通じ、大台ケ原や宮川の素晴らしい自然環境を守るお手伝いができれば…と深 まる秋、山に遊びながら、思うのです。
それでは、10月に山で遊んだ写真をどうぞ。
ちなみに、屋久島も大台ケ原も関係ありません(^_^;)
北八ヶ岳エリア、蓼科山の麓。紅葉。
秋の山に遊ぶ、子どもたち。
北横岳へ登る。ここも良き山。
急登。いっちょ前の登山家たち。
北横岳ヒュッテ。
はー遊んだ遊んだ。
夕焼けに赤く染まる八ヶ岳連峰の盟主、赤岳。蓼科湖に映えて。